クリスマスー神の愛を現して下さったイエス・キリストーヨハネ第一3：1

クリスマスー神の愛を現して下さったイエス・キリスト 　ヨハネ第一3：1－2前半　

主の2004.12.12礼拝

デパート、スーパーに行けば店内にはクリスマスソングが流れ、華やかにクリスマスの飾り付けがされています。この頃は自分の家の周りを豆電球で飾る家が増えていますが、クリスマスといえばクリスマスツリーがおなじみです。八世紀ゲルマン人は樫の木を雷神、トールとして礼拝していた。ゲルマン人への宣教師ボニファティス（ベネディクト会修道士）が、子どもが樫の木の祭壇に生贄として殺されようとしているのを見た。彼はそれをやめさせ、樫の木を切り倒した。ゲルマン人は祟りを恐れたが何も起きなかった。ボニファティスは「木には何の力もない」と言い、代わりに常緑樹である樅の木を持ってきた。そして、一年中、緑色である樅の木を永遠の命の象徴とした。こうしてゲルマン人の樹木信仰が、キリストへの信仰の象徴、クリスマスツリーへと変わったのである。16世紀・宗教改革者マルティン・ルッターはクリスマスイブの夜、クリスマスツリーを通して見た冬の星空に感動し、それを再現するために、樅の木に何本もローソクを立てて子ども部屋に飾った。18世紀までドイツの習慣であったものが、1840年イギリス・ビクトリア女王の夫が、クリスマスツリーをイギリスに持ち込み、それがアメリカに広まり、世界に広まって行った。アメリカ、ヨーロッパではクリスマスツリーの下にプレゼントを並べ、25日の朝に開けることになっています。（佐藤師御翼より）　クリスマスにプレゼントのやり取りをしますが、その由来は神が最大の贈り物として、私たちのためにイエス・キリストを救主として与えて下さったことにあります。

本日はヨハネ第一3：1－2前半です。1節「私たちが神の子と呼ばれるためには、どんなに大きな愛を父から賜ったことか、よく考えてみなさい」と言われています。神は人知では測り知ることのできない無限の愛をもって、ご自分の独り子であるイエス・キリストをこの世に送り、イエス・キリストはその身を十字架の上に捧げて、私たちに罪の赦し、永遠の命を与えて下さいました。

本日はアドベント第三週の聖日で、クリスマスは目前です。来週19日はクリスマス礼拝を捧げます。礼拝の中で市川兄弟が洗礼を受けますのでお祈り下さい。午後は2時から教会学校クリスマスです。23日（木・祝）は行田市商工センターでクリスマス祝会があります。24日―25日は家庭でクリスマスを祝って下さい。25日は上野公園ホームレス伝道があり、クリスマスを祝います。クリスマスは愛を分かち合う時です。路上で生活する方々のために沢山のおにぎりを持ち寄って下さい。毎回お米、洗剤、醤油、味噌、衣料品も寄せられ、全てが無駄なくホームレスの方々のために用いられています。先日埼玉に住むクリスチャンの方から「カイロを捧げます」という電話がありました。ホームレス伝道のために教会の内外

からの祈りと献げ物に感謝します。

クリスマスを前にして、私たちに神の愛を現されたイエス・キリストの恵みについてのメッセージを聴き、祈って新しい一週間の旅路を出発して参りましょう。

内　容　1、キリストによって、神は愛を現され、私たちを神の子にして下さった。2：1

　　　　2、キリストによって、神の愛を受けたことを感謝し、愛を現して行こう。2：2前半

資料問題　1節「どんなに大きな愛（どんなにすばらしい愛―新改訳）」、アガペーの愛である。神の愛はキリストの十字架によって事実として示された。この愛は全ての人に向けられているが、私たちは愛を受けるか否かの決断をせねばならない。神は全ての人が悔い改めてイエス・キリストを信じるように望んでおられる。イエス・キリストを信じた者は誰でも今すでに神の子になっているのである（ヨハネ1：12―13、コリント第二5：17参照）。2節、キリストについて、現在は「みるところおぼろである」（Ⅰコリ13：12）が、再臨の主に会ってその真の姿を見て全てが明らかになり、私たちは全く清められ、天国の民として栄化されるのである。

1、キリストによって、神は愛を現され、私たちを神の子にして下さった。2：1

わたしたちが神の子と呼ばれるためには、どんなに大きな愛を父から賜ったことが、よく考えなさい。わたしたちは既に神の子なのである。世がわたしたちを知らないのは、父を知らなかったからである」（1節）

神様は、私たちを救い、新しい人生を歩ませて下さる恵み深いお方です。神様が私たちを救って下さる最大の理由は、神は愛だからです。もともと人間は神様によって創造され、神の霊を受けて生きる者になった者です（創世記1：27、2：7）。神の霊を受けているのは人間だけです。神の霊を受けて生きる者になっている人間には言葉があります。人間だけに物事を考え、決断する力があります。人間だけに神を礼拝する心があります。しかし人間は神様の恵みを忘れ、神様から離れ、神様に反抗している罪人です。その結果、人間は死んで永遠の地獄に落ちていってしまうのです。しかし「神は愛です」（Ⅰヨハネ4：8、ヨハネ3：16）。神様は私たち人間を罪から救い出し、地獄の滅びではなく、永遠の命を与えて天国の民とするために、私たちを様々な方法を通して導いて下さいます。

第一に、人生に行き詰まり、自分が無力であることに気づくとき、救いが与えられます。

ダビデは、「神よ、あなたは砕けた、悔いた心をかろしめられません」（詩篇55：17）と歌っていますが、謙った心の中に主は恵みを注いで下さいます。年末になるとカレンダーが売り出されます。カレンダーで根強い人気を保っているのが「星野富弘カレンダー」です。星野さんは、首から下は全身麻痺のため動けませんが、口に絵筆を加えて絵を描き、そこに味わいのある言葉を添えて、大勢の人に励ましを与えている方です。大学を卒業して教員になり、体操の授業で着地に失敗し、全身が地面に叩きつけられたことが原因で、首から下が全く動かない状態になってしまったのです。気がついた時はベッドで寝たきりの状態で、人生お先真っ暗の状態でした。そんな星野富弘さんのために、お母さんが心底愛情をもって自分の面倒を見てくれている。その時、今まで農家の貧しい女性として母親を見下していた自分の傲慢さと罪に気づき、心を砕かれ、聖書を読み、またクリスチャンの訪問を受けてキリストを信じるようになり、新しい人生に踏み出すようになったのです。星野さんは国立大学に入り、健康に恵まれ、自分は何でも出来るという思いがあったが、事故で全身麻痺になり、はじめて自分が本当は無力である事を知ったのです。全身麻痺で動けない自分を愛情込めて看病してくれる母親によって、謙った心が与えられ、聖霊によってキリストを信じ、健康な時には得られなかった平安に満ちた人生を歩むように変えられたのです。全身麻痺で動けない身であるのに、星野さんはクリスチャンの伴侶を与えられ、奥さんの協力の下に絵を描き続け、出身地群馬には「星野富弘美術館」があります。星野さんはその絵を通してキリストの愛を伝え、多くの人に生きる励ましを与えています。星野さんは生きる力の源はキリストにあることをひたすら人々に絵を通して訴え続けるという働きをしています。

第二に、自分の罪を認め、キリストの十字架を信じることが救いです。

ずっと以前にNHKの「プロジェクトX」という番組で、新幹線をつくりあげた人々のドキュメントがありました。その中に教会礼拝の場面があり、三木忠直さんという方が礼拝を捧げている姿がありました。この方は戦争中、軍の命令で技術開発に携わったが、それが人殺しのために使われたということで、自分は人殺しに加担したという罪責感に苦しんでいました。新約聖書を読むうちに「凡て労する者・重荷を負う者、われに来たれ、われ汝らを休ません」（マタイ11：28文語訳）とのキリストの御言葉に巡りあい、救いを受けます。三木さんは、命令とはいえ、人殺しの一端を担った者として、自分には生きる資格などないと思っていた。だが、キリストが心の苦しみ、犯した過ちや失敗も含めて、全ての罪を背負って十字架にかかって死んで下さったことを信じ受け入れて、新しい人生が開けたのです。そして、今度こそは自分の技術を平和のために役立てよう、という決意の下に新幹線事業に参加し、新幹線の成功によって多くの人々に恩恵を与える働きをしました。キリストは十字架によってあらゆる罪を赦し、その人を新しい人生に導いて下さる救主であることが分かります。

第三に、キリストを信じ受け入れた者は、救いを継続して行くことが救いの根本です。

内村鑑三の本を読んでいましたら、前の5千円札の人物である新渡戸稲造などと受洗50周年を記念して、共に集っている写真が出ていました。内村鑑三がキリストを信じたのは明治初期ですから、クリスチャンとして生きることは神道、天皇制の強い時代にあって多くの戦いがあったと思います。そうした中で十代後半にキリストを信じ受け入れ、洗礼を受け、信仰を保ち続けて、キリストを伝える伝道生涯を生き抜いています。その間に迫害を受け、妻を失い、仕事を奪われますが、耐え忍んでキリスト一筋の人生を歩んでいます。彼が言うには「一日は尊い一生である。これを空費してはならない。そして有効的にこれを使用するの道は、神の言を聴いてこれを始むるにある・・・朝起きてまず第一に神の言を読みて神に祈る・・・かかる生涯を終生継続して、一生は成功をもって終わるのである」（一日一生より）。私の事になりますが、イエス様を高校生の時に信じて以来、今日まで信仰の道を歩んで来た事を感謝しています。今年は洗礼を受けて48回目のクリスマスを迎えることになります。皆さんは何回目でしょうか。キリストの救いを信じ続けて天国へ共に進んで行きましょう。私の心からの祈りと願いは、ここにいる全ての方々と天国でお会いすることです。

2、キリストによって、神の愛を受けたことを感謝し、愛を現して行こう。

愛する者たちよ。私たちは今や神の子である（今すでに神の子ですー新改訳）（2節前半）

教会の歴史を見ますと、最初のクリスチャンたちは復活祭（イ－スター）を盛んに祝っていました。クリスチャン達は、聖書の中で最も大事なことは「キリストが聖書に書いてあるとおり、わたしたちの罪のために死んだこと、そして葬られたこと、聖書に書いてあるとおり、三日目によみがえったこと」（Ⅰコリント15：3－4）であることを確信し、キリストの復活を盛大に祝い、キリストが再臨されることを待ち望みながら互いに励まし合って信仰の道を歩んでいました。そのうちにキリストの誕生であるクリスマスを祝うようになって今日に及んでいます。日本ではクリスマスの中心であるキリスト誕生から外れて、クリスマスに飾りをする、プレゼント交換をすることなどが年中行事の一つとして祝われています。そうした風潮の中にあって、私たちはまことのクリスマスを祝い、キリスト降誕の意義を知らせることを忘れぬようにして、伝道して行くことを祈って下さい。

キリストの誕生を祝うのがクリスマスですが、キリストは私たちの罪を背負って十字架の上で死ぬために生まれて来て下さった神の子です。キリストは私たちの罪を全部帳消しにされた救主です。聖書は、「罪の支払う報酬は死である」（ローマ6：23）と告げています。キリストを信じる前の私たちは罪という借金を背負ったままで、苦しんでいた者です。サタンは私たちの罪の証文を握って、いろいろに責め立てます。借金の証文などいう古めかしい言い方は分かりにくいかも知れませんので、現代のクレジットカードの例えで話をしましょう。クレジットカードで100万円の買い物をします。大体ふつうは1か月ぐらい後に支払うことになっています。ところがクレジット会社のほうから即刻支払ってほしいという連絡がきた。払わなければ裁判所に訴えるということで、さあ困ったという状態に追い込まれてしまった。誰かがまるまる百万円を無条件で払ってくれたら助かるでしょう。支払ってくれる人がいて、しかも今度からカードを使って無制限に買い物をしてもよい。幾ら使っても全部支払ってあげますと約束してくれたとしたら、こんな有り難い話はありません。キリストは、私たちが背負っていた多くの罪の借金を全部払いますと言われて、十字架に上って下さいました。キリストの命の犠牲によって罪という借金はなくなったのです。しかし、そんな都合のよい話はありえないとして、私たちがキリストの十字架を信じなければ、依然として私たちは罪に苦しめられたままです。ある方は「信じれば救われるというのは都合が良すぎる。私は頑張ってよい人間になる」と言います。それもよいかも知れませんが、罪の力は頑固です、したいと思うことは出来ずに、したくない悪い方向へ私たちを引っ張って行きます。自分が罪のために弱い者であり、足りない者であることを認めて、悔い改めてキリストを信じれば罪から自由になります。しかも、罪から解放された身を、自由につかってよろしい。キリストがあなたの新しい人生の全てを支えてあげようと言われているのです。自分の人生を自由に生きると言いますが、私たちは以前の罪の苦い体験がありますから、悪いことのためではなくて、キリストのために生きるようにしたいという願いが心の中に生まれてきます、聖霊が私たちの心に来て下さり、祈りの力を受けて、人のために祈り、人のために愛を分かち合って生きて行こうという人生に変わります。このヨハネの第一の手紙3：18をご覧下さい。「子たちよ。私たちは言葉や口先だけで愛するのではなく、行いと真実とをもって愛し合おうではないか」とあります。今年も23日はクリスマス祝会を行田市商工センターで開きます。キリストの愛の救いを伝える伝道の機会となるように祈って下さい。ご存知のようにポットラック（食事持ち寄り）です。クリスマスに大勢の新しい人々がきます。誘った方々の分も含めて沢山の食事を持ち寄って下さい。クリスチャン以外の方が教会クリスマスに賛同して、ピアノ演奏をして下さる方、車で何時間もかけて楽器を運び演奏して下さる方々などがいます。そういう方々へ愛をあらわし、また新しい方々への歓迎のために食事を持ち寄って下さい。教会の集まりが、聖霊によってキリストを中心にして楽しく、温かいものであれば心が恵まれ、そしてお腹が満たされれば、キリストを信じる素晴らしい機会になると信じます。

最後に「私たちは既に神の子である」ことあるということについて二点申し上げます。

一つは「我らの国籍は天にあり」（ピリピ3：20）という恵みです。キリストを信じて生まれ変わり、神の子になった私たちの名前は天に登録されています。天に登録されるのは教会を通してです。ですから、キリストを信じた者は、教会にしっかりつながって行くようになります。なぜ教会につながって行くのかと言えば、教会の頭はキリストであり、私たちは頭につながる体です。ですから教会の中心はキリストであり、教会では常にキリストの恵みが語られ、キリストを伝道して行くことが教会のトップの使命です。教会が関わるべき問題は、例えば平和運動、福祉、教育などいろいろな事柄があります。しかし常にトップの使命はキリストの福音であり、福音宣教であるということです。私が上野ホームレス伝道、また23日に行われるクリスマス祝会のことを述べたのは、キリスト伝道の素晴らしい機会を逃してはならぬからです。

二つは「主にあっていつも喜びなさい」（ピリピ4：4）という勧めです。キリストに縋って行けば、主ははあなたの重荷を解決して下さいます。キリストに献金して行けば経済は必ず祝福されます。キリストを第一にして行けば物事すべては益に変わって行きます。

今朝、あなたは喜んでいますか・・もちろんキリストの恵みによって心に喜びが満ちていると信じます。

まとめ、１―2節前半を読みます。

1、キリストによって、神は愛を現され、私たちを神の子にして下さいました。

2、キリストによって、神の愛を受けたことを感謝し、愛を現して行きましょう。

祈　り　天地の主である神様、独り子であるイエス・キリストをこの世に遣わすという大きな愛をもって救いの道を開いていただき感謝します。イエス様、私たちの罪の借金をなくすために十字架に上って、私たちのために命を捧げて下さったことを感謝します。来週のクリスマス礼拝、洗礼式、教会学校クリスマス。23日行田市商工センターにおけるクリスマス祝会の準備を導き、新しい方々が加わるように導いて下さい。25日上野公園ホームレス伝道も導いて下さい。それぞれの家庭クリスマスを祝福して下さい。キリストを喜び、キリストを伝えるクリスマスとして下さい。イエス・キリストの御名によって祈ります、アーメン。

参考文献ヨハネ書注解―黒崎、ＬＡＢ，バークレー、口語略解。「愛の祭典・教文館・山北編」、「クリスマスおもしろ事典・日キ教団出版局・刊行委員会」