主の2004年の感謝　ローマ8：28

主の2004年の感謝　ローマ8：28　　　　　　　　　　主の2004.12.26礼拝

年齢は私と同じ位であると思いますが、知的障害のある方が、時々やってきては自分の生活状況を話したり、アルバムに年月日と場所の名前を書いてくれという依頼があったりします。この方は長い間にわたって毎月、月末の土曜日に感謝献金を捧げるために教会に寄ってくれていました。ある時、「施設で自分の働きがなくなったので、献金はできなくなってしまった」と言うことでした。その後、暮れになると、コーヒーカップなどを持ってきて、「施設のパーティーでもらったが、牧師さんに使ってもらいたい」という事でした。知的障害というハンディキャップを抱えていますが、彼のうちには感謝の思いがあって、具体的に実際の行動を通して、感謝の気持を表してくれているのです。その姿を通して、私自身も感謝を常に現して行く者となるように、ということを深く思い、実践するように心がけています。

本日は2004年最終聖日の礼拝です。御言葉はローマ8：28です。使徒パウロは神の御霊に導かれて、「神は・・・万事を益となるようにして下さる（すべてのことを働かせて益として下さる）ことを、私たちは知っている」と述べています。2004年ここに至るまで様々な事がありましたが、神様によって導かれ、支えられてきた恵みを感謝したいと願っています。知的障害のある男性が、どんな中にあっても感謝を忘れたことがないように、私たちも神様の恵みを決して忘れることなく、たくさんの感謝を神様に献げましょう。また周りの方々に感謝を表して行きましょう。そして共に祈って2004年最後の一週間の旅路を出発し、主の年2005年に向かって、希望をもって前進して参りましょう。

内　容　1、感謝を捧げるために、神の恵みを数えてみよう。

　　　　2、感謝を捧げる者は、謙遜になり、神に信頼して行く。

資料問題　「神を愛する者たち」「ご計画に従って召された者たち」とはクリスチャンを指す。「万事を」とは患難であれ迫害であれ、悲嘆であれ哀求であれ、一切のことを指す。「すべてのこと相働きて」という訳で知られているが、その場合すべてが主格になる。しかし、「神が」が主格で「神が万事を益となるようにして下さる」というほうが良いと思われる（高柳注解）。すべての事物が自動的に良くなるのではなく、神が一切のことをなさるというのが我々の希望の根拠であるからである。「わたしたちは知っている」は強い確信を表す。それは神への強い信頼によるからである。

1、感謝を捧げるために、神の恵みを数えてみよう。

神は、神を愛する者たち、すなわち、ご計画に従って召された者たちと共に働いて、万事を益となるようにして下さることを、私たちは知っている。（8：28）

2004年もあと僅かになり、主のゆるしがあれば共に2005年を迎えることができると思います。この時期になると、新聞、テレビのマスメディアは「今年の十大事件」とか「一年を振り返る」などいう特集記事を組み、また特別放送をしています。個人的に振り返ってみれば、いろいろな出来事がありましたが、皆さんの一年間はいかがだったでしょうか。私は、主が常に最善をもって導いて下さったから、ここまで進んで来ることができたということを実感しています。ダビデは「わがたましいよ、主をほめよ。そのすべての恵みを心にとめよ（主がよくして下さったことを何一つ忘れるな）」（詩篇103：1）と歌っています。私たちも不足や、不平不満ではなく、主がして下さった恵みを数えて行きましょう。

どんな恵みがあり、感謝があるでしょうか・・・信仰が恵まれ、保たれていること。教会に出席できていること。毎日が守られ、健康が支えられていること。どんなことがあっても祈る事によって心が平安になる事など、たくさんの恵みを与えられています。さらに家族のこと、仕事のことなど、数え上げれば恵みはたくさんありすぎるほど豊かに与えられています。サタンは失ったもの、不足のもの、不満なこと、人が自分になにもしてくれないことなどを数えるように心に囁きます。しかし主は「常に喜べ、絶えず祈れ、すべてのこと感謝せよ」（Ⅰテサ5：16－18）と言われます。「すべてのこと感謝せよ」ということは、感謝できないような状況であっても、きっと何か感謝できることがあるに違いないということを教えています。ある方は強盗に襲われ、財布を盗られた。そのことを日記にこう書いたそうです。「まずは強盗にあったことは初めてであるが、今までは守られたことを感謝しよう。次に財布は盗られたが、命は奪われなかったことを感謝しよう。更に、財布を盗られたが、その額はたいしたものではなかったことを感謝しよう。最後に、自分は強盗にあったのであって、自分が強盗をしたのではないことを感謝する」。（御翼・佐藤師・148号）ふつうでしたら、強盗に襲われたことを「運が悪い、ついていない」と言って呟くのですが、この人は恵みを見いだして主に感謝を捧げています。

共に聖歌642（旧604）番を歌い、主の恵みを数えて感謝を捧げましょう。

2、感謝を捧げる者は、謙遜になり、神に信頼して行く

「万事を益として下さるお方である」・・・神様を信じる者は謙遜になります。謙遜になるというと、自分でなれるかのような言い方ですが、そうではありません。万事を益とて下さる神様の恵みを思うときに、謙らざるを得なくなってきます。主の素晴らしい恵みに心が砕かれ、恵みで心がいっぱいになって人間的な思いが消えて行くようになります。

神が万事を益として下さる恵みの中で最大のものはイエス・キリストによる救いです。私たちの教会では19日（日）クリスマス礼拝、子どもクリスマス、23日（木）クリスマスの集い（祝会）（於：行田市商工センター）を通してキリストのご降誕をお祝いしました。また25日（土）は上野公園ホームレス伝道クリスマス会に11名が奉仕に加わり、おにぎり637個の他に、週報に記してあるいろいろな物をお届けしてクリスマスの喜びを分かち合いました。私は、皆さんからの贈り物を届けながら、神様が私たちに下さった最大の贈り物はイエス・キリストであるということを深く思いました。

イエス様は誕生の時に、東の博士から沒薬という死人の体に塗る薬を贈り物として受けています（マタイ2：11）。それはイエス様が人間の罪の身代りになって十字架にかかって死ぬことを表しています。イエス様は天の栄光の位を捨てて、地上に人間として生まれましたが（ピリピ2：6－7）、それがクリスマスです。イエス様は布にくるまれ、飼葉桶をベッドにして誕生されました（ルカ2：6,12）。33年半の人生を歩まれ、自ら進んで十字架に上って（ヨハネ19：17）、私たちの罪の身代りになって下さいました。イエス様は衣服を剥ぎ取られ、裸で十字架についておられます。イエス様が、私たちが受けるべき罪の罰、罪の恥をご自分の身に引き受けて下さったから、私たちは救われて神の子になっているのです。パウロは「わたし自身には、わたしたちの主イエス・キリストの十字架以外に、誇りとするものは断じてあってはならない」（ガラ6：14）と叫んでいます。私もイエス様の十字架によって救われたことを心から感謝しています。イエス・キリストは十字架の上に命を捨てて、私たちの救いを成し遂げて下さった救主です。

そんなことを考えながら、昨日も、上野公園ホームレス伝道クリスマス会でイエス様の十字架による救いのメッセージを伝える事ができたことを感謝しています。朝早くからおにぎりを用意しながら、このおにぎりを手渡すことによって、イエス様の愛を実際的に伝えることができるという喜びも与えられたことを感謝しました。

神は万事を益とする恵みをもって、私たちの生活を支え、導き、必要を備えて下さいます。申命記8：1－10を読みます。10節「あなたは食べて飽き、あなたの神、主がその良い地を賜ったことを感謝するであろう」と言われています。さらに8章17－19節を見るならば、主の恵みをを忘れてはならないということが強調されています。

神は、万事を益とする恵みをもって、キリストを信じた者を天国に導いて下さいます。キリストは、十字架に人間の罪を背負って死んで下さった救主です。しかし死んで終りではなく、死を打ち破って甦って今も生きている救主です。キリストは十字架の後に甦り、エルサレムのオリーブ山から天国に帰って行きました（使徒1：9,12）。キリストはやがて私たちを迎えに来られます（ヨハネ14：1－3）。私たちは天の御国に永遠に住まうようになるとう恵みを与えられています。私は多くの方々の臨終に立ち会って来ました。キリストを信じる者は天国に行くという希望によって、死を怖れず、平安のうちにこの世を去って行きます。天国の望みをもつ者は幸いです。あなたも、万事を益とする神の恵みによって、十字架による救いを受け、生活の祝福を与えられ、永遠の天国を信じる信仰の恵みを与えられています。主の前に謙って恵みを感謝してまいりましょう。

まとめ

ローマ8：28をもう一度読みます。

1、神に感謝を捧げて行こう、そのために恵みの一つ一つ思い起こしましょう。神に感謝を捧げて行きましょう。

2、感謝を捧げる者はキリストの救いに感謝し、謙った者に変えられて行く。生活を支え導く神様に感謝し、天国への希望をもって平安な日々を歩んで行きます

聖歌628（旧590）晩を歌い、祈りを捧げます。

祈　り

天地の主である神様、イエス・キリストの救いを与えられて神の子になっている幸いを感謝します。神様が万事を働かせて益として下さることを信じ、体験していることを感謝します。今朝、万事を益とする神様の助けを求めて、イエス・キリストの御名によって祈る者の上に祝福を与えて下さい。2004年、ここに至るまで導いて下さった神様の愛に感謝します。神の聖霊の力に満たされ、主の2005年に向かって希望をもって進んで行くように今週の日々を導いて下さい。この後の大掃除もチームワークを組んで、万事を益として下さるように導いて下さい。病気の方を癒し、問題の解決を求める者に速やかに答えて下さい。我らの救主イエス・キリストの尊い御名によって祈ります、アーメン。