約500年前ドイツに宗教改革を進めたマルティン・ルッターという人がいました(1483−1546)。彼は当時のカトリック教会の改革を願って95個条にわたる質問状をローマ法王に提出、そのために1521年ヴォルムス国家に召喚されます。もしそこに行けば、ローマ法王側から質問状の撤回を求められ、それを拒否すれば、カトリック教会を破門され、死を宣告されるということが予想されました。ルッターは出かける前に「たとえヴォルムスの国会の屋根瓦の数ほど、沢山の悪魔が私を襲って来たとしても、それでも私は行く」と言って出かけます。この信仰の勇気が、悪魔に勝利する力になり、ドイツ語聖書を翻訳し、宗教改革という偉大な働きにつながって行きます。
本日はヨハネ第一の手紙5:1−5です。4−5節に「世」という言葉が3回でています。世とは悪魔(サタン)によって支配されている世界全体を指し、直接にはサタンそのものを指しています。サタンとは何者でしょうか。サタンはキリストに反対する者です。サタンはローマ法王を通して「キリストを信じるだけで救われる」と言うルッターの信仰を覆そうとしますが、彼は神の力により頼んでサタンに勝利を得ます。4節後半に「わたしたちの信仰こそ、世に勝たしめた勝利の力である(私たちの信仰、これこそ世に打ち勝った勝利です=新改訳)」ことが力強く宣言されています。
主の日の朝、心の耳を開いて主の御言葉のメッセージを聴き、勝利の主であるイエス・キリストを見上げ、聖霊によって祈り、新しい一週間の旅路を始めて参りましょう。
内 容
1、信仰の恵みは、イエス・キリストを信じ、心に愛が与えられることである。5:1−3
2、信仰の恵みは、イエス・キリストによってサタンに打ち勝つことである。5:4−5
資料問題
1節「イエスはキリストであることを信じる」とは信仰の基本告白であり、2:22「イエスのキリストであることを否定する者」である異端とは正反対である。5節の「イエスを神の子と信じる者」も信仰の基本告白である。キリストに「あなたこそ生ける神の子キリスト」という信仰告白を最初にしたのは使徒ペテロである(マタイ16:16)。「イエスをキリストと信じること」によって、1、神より生まれた神の子になり(1節前半)、 2、神の子たちを愛する者となり(1節後半)、
3、神の戒めを守り(2,3節)世に勝ち(4,5節)、4、神によって証され「6−10節」、5、永遠の命を持つのである(11,12節)。4節「世に勝つ勝利は我らの信仰」はイエスを神の子キリストと信じる者に与えられる。なぜなら信じる者のうちにいます方は世にいるものよりも大いなるものであり(4:4)イエス・キリストはサタンに勝ったからである。だから私たちもキリストにあって勝てるのである。
1、信仰の恵みは、イエス・キリストを信じ、心に愛が与えられることである。5:1−3
すべてイエスのキリストであることを信じる者は神から生まれた者である。すべて生んで下さったかたを愛する者は、そのかたから生まれた者をも愛するのである。(1節)