キリストに従う明るい人生　　ヨハネ8：12

キリストに従う明るい人生　　ヨハネ8：12　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　主の2005.2.27

わたしは世の光である。わたしに従って来る者は、闇のうちを歩くことがなく、命の光をもつであろう。

アメリカのケンタッキー州にマンモスの洞というのがあって、その洞窟内に住んでいる魚には目がないという事です。その由来を調べて見ますと、ある時に目があるふつうの魚が数匹その中に迷い込んでしまったそうです。真っ暗な所に迷い込んで出口が分らず、そこに住みつき、繁殖して行ったのですが、代々暗闇の中で生活するうちに目を働かせる必要がなくなり、目の本来の機能を失い、まるで別種のような姿に変わってしまったのです。

本日の御言葉はヨハネ８:１２です。キリストは光なるお方です。キリストを信じ、キリストに縋って行くならば、明るい恵みの人生を歩むことが約束されています。しかし目先の利益や、偶像を拝む生活をすれば、闇であるサタンに翻弄され、滅びに向かう人生になってしまいます。マンモスの洞に迷い込んだ目のある魚が、暗闇の中にあまりにも長くいすぎて、目を失ってしまったことを思いますと、光の中にいることが最善の恵みであることを確信します。私たちの人生を明るく導いて下さるのは世の光であるイエス・キリストです。先ほどの聖書朗読の中に、「主はわたしの光、わたしの救いだ」というダビデの讃美がありました（詩篇27：1）。私たちも、罪を赦し、人生を闇から光に変えて下さった主イエス・キリストを讃美し感謝を捧げましょう。今週も、変わることのない愛の主を見上げながら、祈って祝福の日々を前進して参りましょう。

内　容

1、イエス・キリストは、人生を闇から光に変えて下さる恵みの救主である。

2、イエス・キリストは、人生を明るく導いて下さる勝利の救主である。

資料問題

ヨハネ福音書は主の直弟子ヨハネによって紀元９０年頃記されたもの。マタイ、マルコ、ルカの共観福音書とは異なる視点をもってキリストの一生を伝えている。例えば冒頭にキリストが先在の永遠の神であることが明示されている。十字架の前にキリストの弟子達への訣別遺訓（１４－１６章）、キリストの大祭司としての祈り（１７章）、裁判の場におけるキリストの言葉（18－１９章）などである。

本節の御言葉は「仮庵（かりいお）の祭」の儀式に関連して語られている。祭の間、夕方になると、昔イスラエルの人々が夜の砂漠を行く時、主なる神の火の柱によって導かれたことを記念して（出13：21）、「婦人の庭」で四つの金の灯火台に火が点じられた。この火の柱は律法の象徴とされている。「わたし（キリスト）は世の光である」とは、キリストが律法にとって代わり、人々を導くまことの光である（1：4－5を見よ）ことが明らかにされたと言うことである。

キリストは、旧約では「もろもろの国びとの光」（イザヤ42：6、49：6）と言われている。新約でも「異邦人の光」（ルカ2：32）、「異邦人に光を宣べ伝える」（使徒26：23）お方として紹介されている。「わたしは～である」とは神のことを表している（出3：14）。

1、イエス・キリストは、人生を闇から光に変えて下さる恵みの救主である。

日本には、「一寸先は闇」という言葉があります。一寸は長さの単位で約３センチです。たった３センチ先のことが真っ暗で見えない、分らないという事から、前途を全く予知できないということを意味しています。人間の目には先のことは何も見えないし、今この一瞬あとに何が起るのか見当もつきません。本当に、一寸先は闇のようであって何も見えないし、分らない。人生は一寸先は闇のであるから、油断をしないで進んで行こうということを教えているように思われます。ところが、ある牧師の説教に「一寸先は光」という題がついていました。なぜ「一寸先は光」と言えるのでしょうか。それはキリストが、「わたしに従って来る者は闇のうちを歩くことがない」という約束をもって、私たちの人生を明るく導いて下さる救主だからです。

キリストは「わたしは世の光である」と言われました。光という事ですが、光こそ全てのものの根源です。この天地万物が今日のような姿になる前、詳しくは分りませんが、地は形なく、むなしく、闇が淵のおもてにあり、それらの全てを神の霊である聖霊が覆っていました。その時に、「光あれ」という神の御言葉が響き渡ると共に光が現れました。全てに先立って光が輝き始め、そこから天地創造の神の御業が始まり、天地万物が六日間で完成したのです（創世記１章）。

キリストを信じる前、私たちの心は罪のために混沌としていて、その生活は荒れ放題でした。罪のために、何が正しく、何が悪いことであるのかという善悪の基準を失っていました。その結果、「知力は暗く、心はガンコになり、あらゆる不潔な行いをしていた。命の源である神を離れて罪人になり、自己中心になっていた。すぐに怒り、心に感謝はなく、人に対する悪意が満ちていた、うそもついていた。何でもほしいという欲張りであったし、困っている人がいても何もあげないというドケチ（貪欲）」であったというのが、私たちの姿でした（エペソ４章、コロサイ３章参照）。罪のために、心の目が曇り、神のことを分らないし、信じられないという最悪最低の状態でした。どうやったら、神に近づき、神の子になることができるのでしょうか・・・。キリストは、「幸福なるかな、心の清き者。その人は神を見ん」（マタイ5：8）と言われましたが、私たちの心は罪によって汚れていました。とうてい神を見ることの出来ない者でした。眼科医によると、心に問題があり、悩みがあると、実際の視力に影響が現れるとのことです。ある男性の視力が0.5から突然0.01になった。幾ら検査しても原因が分らなかったが、患者さんは家庭の問題で行き詰まっていることが分った。そこで脳の働きを助ける薬を少し投与し、あとは患者さんのために祈った。すると翌日には視力が0.6まで回復し、数日後に1.0になり退院して行きました。医学的には目と脳が密接につながっているので、脳の神経関係の薬を投与したのですが、しかし最も深い霊の問題、心の問題に対処するには祈りが必要でした。脳神経を休める薬も大事ですが、この眼医者さんは信仰があったので主イエス・キリストの御名によって神に祈りました。祈りによって患者さんの心の重荷が軽くなり、視力が回復して行ったのは、まさしく主の恵みと憐れみによることです（信仰雑誌１月号）。

心のトラブルによって視力が落ちた人は、クリスチャンドクターがキリストの御名によって祈ったことによって回復が与えられました。私たちが聖霊によってキリストを信じる時に、心の罪が赦され、その瞬間に私たちの霊的な眼が開けて神を知り、信じ、神の子になることが出来るのです。キリストは世に住む私たちひとり一人の人生を照らすまことの救主です。

アメリカ・シューラー牧師の所に若い娘さんが両親に連れられてやって来た。折角の美しい顔が、麻薬と心の罪により、醜くゆがんでいた。彼女は、「私はマリファナとＬＳＤに神様を見つけた、毎週金曜日に礼拝しています。本当に素敵ですよ」。シューラー牧師は、「私はイエス・キリストによって神様を見出しました。どちらが本当か調べてみましょう」と答えた。彼女はその提案に賛成した。シューラー牧師は言った、「神は愛である。あなたは賛成しますか」。彼女は賛成した。「愛とは人を助けることですね。賛成ですか」。彼女はうなずく。「マリファナとＬＳＤの礼拝でどれ位献金をしましたか。その献金を他の人を助けるために用いましたか」。彼女は返答につまってしまった。するとシューラー牧師が、「さあ、立って手をつないで共に祈りましょう」と言った。彼女と両親、シューラー牧師は丸くなって手を取り合って、牧師が代表して祈った、「イエス様、あなたの愛の御霊を私たちの心の中に住まわせて下さい。あなたが彼女の心と生活の中に入って下さい」。その時、彼女の目から涙がこぼれ落ちた。「君の目から落ちたものを見てごらん。君の中で聖霊が働いて下さった。この涙が湧いてこぼれおちる時、これは人間にとって一番深い、一番うれしい経験ですよ。君の心と生活との中にキリストが入って来て下さる。怖れないでキリストをお迎えして下さい。キリストが心の中に住んで下さる時に、君の心の中でもっと素晴らしいものが目覚める。君はキリストを信じ、心に迎えますか」。彼女の目から涙がとめどもなく流れ落ちた。すると、ゆがんだ顔が、あたたかく丸みを帯びた顔に戻っていった。彼女はキリストを信じ受け入れ、今は若い人達のためにキリストを伝える働きをしています（佐藤順・御翼１７８号）。

「キリストの光にさらされる時にすべての者は明らかにされ、明らかにされたものは皆、光となるのです」（エペソ5：13－14）。キリストこそが、私たちの人生を闇から光に変えて下さる恵みの救主です。光なるキリストを信じ、クリスチャンになっていることを感謝しましょう。クリスチャンでない方は、きょう、私も光なるキリストを信じるという決心をして祈って下さい。「イエス様、私の心の中に入って下さい」と祈って下さい。その時に、あなたの人生は明るい喜びに満ちた人生に変わって行きます。

2、イエス・キリストは、人生を明るく導いて下さる勝利の救主である。

キリストは、「わたしに従って来る者は、闇のうちを歩くことがなく、命の光をもつであろう」と約束されています。すばらしい約束です。「わたしに従って来なさい」と言われていますが、これはキリストが生きていることを表しています。「わたしについて来なさい」ということは、キリストが私たちの先頭に立って導いておられる姿を示しています。キリストは十字架の後に、死を打ち破って墓より甦り、今も生きている救主です。羊飼いは羊の群れの先頭に立って進んで行き、草のある所、憩いの水の辺（ほとり）に導きます。キリストは羊飼い、私たちは羊です。羊飼いであるキリストから目を離さないで行くことが大事です。そのために、朝の祈りを中心にして行きましょう。キリストは祈りの中に進むべき道を示し、力を与えてくれます。

闇のうちを歩くということは、サタンに従うことです。サタンは私たちが信仰から離れるようにあの手この手で誘惑してきます。どんな手を使うでしょうか。

サタンの使う手は「もし」ということです。キリストが洗礼を受けた後、荒野に行き四十日四十夜断食をした後にサタンの誘惑に遭っています。サタンは「もし、あなたが神の子であるなら石を変えてパンにせよ。神殿の頂から飛び降りよ。天使が支えると言われているが、飛び降りてその事を証明せよ。人を救うには金が必要だ。世界中の富をあげるから、ほんの一瞬でよいから私に頭を下げなさい」と言っています（マタイ4：1－11）。まことに巧妙です。キリストは何と答えましたか・・・「人を生かすものは霊だ。だから神の言葉がまず第一に大切であり、それが人を生かすのだ。神様はいつでも私たちを安全に導かれる。神様を試すようなことをしてはならない。お金では人の命を買うことができない」と答えて、サタンを退けています。サタンは今日も言います、「もしお前がクリスチャンであるなら、何故聴かれない祈りがあるのか。もし、お前がクリスチャンであるなら、すごい奇蹟をして人を驚かせることが出来るだろうに・・・。もし、沢山の人を自分の所に惹き付けたいなら、何といっても金がものをいう。手っ取り早く金を手に入れるには、ちょっとだけ私に頭をさげればよい。信仰は適当にやればいい」と。私たちが神の子であるのは、聖霊によって罪を悔い改め、キリストを信じたからです。石をパンに変えなくても、また人を驚かすような不思議なことをしなくても、富を自慢しなくてもよいのです。何が出来なくても、キリストを信じる信仰をもっていれば、それが祝福です。ニュースによると、ある日本の大金持ちが、自分の所に金が集るような会社体制にして、それが暴露されて検察が取り調べているということです。皆が、「あの人はすごい人だ」と持ち上げていた人が、実はお金を守るのに必死であったタダの人にすぎないということが分ってきた。聖書は告げています、「すべて世にあるもの、すなわち、肉の欲、目の欲、持ち物の誇りは、父から出たものではなく、世から出たものである。世と世の欲とは過ぎ去る。しか、神の御旨を行う者は永遠にながらえる」（Ⅰヨハネ2：16－17）。

キリストに従って行くならば、「命の光をもつ」と約束されています。人生を正しく導き、天国に導くキリストの命が私たちのうちに与えられます。

ゴスペルという教会音楽が、教会の枠を越えて、多くの人々によって歌われ、ゴスペルを通してキリストに導かれている人が起こされています。先日も教会のホームページを見て、「ゴスペルはいつやっているんですか」という問い合わせがありました。これは神様の摂理だと思います。何故ならノンクリスチャンの人々がキリストを讃える歌を歌っているからです。こういう形で福音が日本に浸透しつつあることを感謝します。

ゴスペル界にいろいろな指導者が現れていますが、数年前、熊谷でゴスペルの会があり、私たちの教会からも参加し、私がメッセージをしたことがあります。その時のゴスペル指導者が木村洋幸という方です。木村さんは高校の時に、すでにドラムでプロの仕事ができるほどであったそうです。音楽家の兄に憧れていましたが、そのお兄さんが自殺し、ショックを受けます。自分も音楽の世界に入りますが、食べるために「人に言えない」アルバイトをしたことをあったそうです。自殺した兄がドラッグに手を出していたことを知り、自分もそうなるのではという不安をもっていた、やがて、自分の音楽がゴスペルの方向に向かって行った。ある時米軍基地で行われたゴスペルのワークショップに出席した時、ゲストリーダーによって、大勢の中から自分ひとりが呼ばれて、「あなたは重荷を背負っている。それをまず降ろしなさい。主がすべて解決して下さる。もう振り返らなくてよい」と言われた。半信半疑だったが「神様は全部知っているんだ。身を委ねてみよう」と、その場でイエス・キリストを心に受け入れた。それから１０年後の昨年に洗礼を受けた。今は13のゴスペルクワイヤーを手がけ、２００人のメンバーがいます。信仰を前面に出して、音楽を通してキリストを伝えるということで、ノンクリスチャンの人々に働きかけています。（クリスチャン新聞2005.2.27）

木村さんはキリストから命の光を受けて、新しい人生を真実に歩み、光であるキリストの恵みをゴスペル音楽を通して伝えています。キリストによって私たちも信仰の恵みの中に、明るい人生を歩んで行くことができます。キリストに祈りましょう。

まとめ

1、キリストは、罪に支配されていた私の闇の人生を光の人生に変えて下さった恵みの救主です。キリストの救いに感謝し、キリストについて行きましょう。

2、キリストは、私たちに命の光を与え、人生を明るく導いて下さる勝利の救主です。

祈　り

天地の主である神様、「わたしは世の光である。わたしに従って来る者は闇のうちを歩くことがなく、命の光をもつであろう」と言われる救主イエス・キリストによって救われていることを感謝します。命の光を与えられて、間違いのない日々を前進できるように導いて下さい戦い、困難の中にいる人に勝利を与え、病気の者を癒して下さい。今週もイエス様に従う明るい日々を歩ませて下さい。この後に開かれる教会総会を導いて下さい。私たちの命の光である救主イエス・キリストの御名によって祈ります、アーメン。

参考文献ヨハネ注解―黒崎、榊原、フランシスコ会、ＬＡＢ．　「キリスト教案内・沢村五郎・ＣＬＣ伝道団」