キリストにつながり、キリストの愛のうちにととまりなさい

キリストにつながり、キリストの愛のうちにいなさい。ヨハネ15：5－11　　主の2006.3.12礼拝

私事ですが、先週木曜日東京に住む私の兄が家を建て替えることになり、新築起工式の祝福を祈りに行きました。親族、設計事務所、建築会社の人々が集り、讃美をささげ、イエス・キリストの「岩の上に家を建てよう」という御言葉に従い（マタイ7：24－27）、工事の安全と祝福を祈りました。私の父母は晩年に信仰を告白し、葬式は私が司式をしました。兄弟はクリスチャンではないのですが、毎年私の両親、家内の両親、また私の弟二人の召天記念会をこの教会で行っています。それで何かあればキリスト教式ということが当たり前になり、今回も新築起工式を讃美と御言葉と祈りのうちに行うように導かれたのです。こういう形でキリストの教えが兄弟達に浸透し、やがて直接伝道を通して私の兄弟やその子ども達がクリスチャンになって行くように祈っています。

本日はヨハネ15：5－11です。私は、５節の「キリストにつながっていれば実を豊かに結ぶようになる」、また７節の「キリストにつながり、キリストの御言葉を心に留め、信じて祈れば、望むものが与えられる」との約束を信じます。さらに、９節最後にある「わたしの愛のうちにいなさい」という御言葉を心に刻んで、キリストに固く結びつく信仰を保って行くならば、私の家族に伝道し、救いの恵みが与えられることを信じています。

皆さんも家族の救い、健康、問題の解決、人間関係のことなど様々な願いがあると思います。皆さんにお勧めすることは、いろいろなことを祈り、願い、訴える前に、まずキリストにしっかりつながって行くことを決断することが重要であるということです。キリストは「まず神の国と神の義とを求めなさい」（マタイ6：33）と言われました。キリストにつながり、キリストの御言葉を心に留め、聖霊の導きを受けて祈りましょう。「キリストの愛のうちに留まり続ける」ということを再決断して祈りましょう。その時に、私たちの願いや求めを遥かに越えた主イエス・キリストの祝福に与ることができます。ご一緒に主のメッセージを聴いて、共に祈り、新しい一週間の旅路を出発して参りましょう。

内　容

1、キリストを信じ、キリストにつながり続けて行こう。15：5－6

2、キリストを信じ、実を結び、キリストの愛のうちにいよう。15：7－9

3、キリストを信じ、キリストに従い、喜んで行こう。15：10－11

資料問題

４－１０節に１２回（原語では９回）つながっていなさいとの言葉がある（居れー文語訳、とどまりなさいー新改訳）は止まることで永続的状態を意味する。口語訳は、つながって居る、とどまって居る、居ると三種に訳されている。６節、名目上の信者でキリストの中に生きていない者は最後の審判の時はこのようになるであろう（マタイ13：36－43）。この個所で言われている実を結ぶとは、第一に悔改めの実（マタイ3：8、マルコ1：15）、第二に心に結ぶ聖霊の実（ガラテヤ5：22－24）、第三に奉仕の実（Ⅰコリント15：58）である。さらに生活上の必要なことが恵みとして与えられる。実を結ぶためには、７節、１６節にあるように祈りが必要である。１１節「喜びが宿る」、神の戒めを守ることは重荷ではなく、キリストにとっては絶大な喜びであった（詩篇1：2）。

1、キリストを信じ、キリストにつながり続けて行こう。15：5－6

「わたしはぶどうの木、あなた方はその枝である。もし人がわたしにつながっており、またわたしがその人とつながっておれば、その人は実を豊かに結ぶようになる。わたしから離れては、あなたがたは何一つできないからである」。（５節）

今この場に大勢の方々が集って礼拝を捧げています。男女、年齢、住い、職業などが違います。国籍や母国語の違いもあります。こうして共に礼拝を捧げることが出来るのは、皆がただ一人の救主であるイエス・キリストを見上げているからです。ペテロはエルサレムの議会で、「この人（イエス・キリスト）による以外に救いはない。私たちを救いうる名は、これ（イエス・キリスト）を別にしては、天下の誰にも与えられていないからである」（使徒4：12）と声高らかに宣言しています。キリストを信じ、キリストにつながる事が信仰の最も大切なことです。３日（金）、カトリック教会を会場にして、熊谷市内及び周辺地域１３教会より５２名が参加し、超教派世界祈祷日の集まりがありました。昨年は世界１７０国、日本では１９９箇所で集まりがあり、今年はそれを上回る規模で、全世界で集まりが開かれました。当教会より６名が参加し、様々な教団教派の方々と交流があり幸いでした。集まりの中で、各教会代表が祈るところがありました。準備牧師会の時に、市内の牧師達が口をそろえて「諸教会の伝道と霊的一致のために祈ろう。この祈りは当然福音キリスト教会渡辺牧師に祈ってもらいたい」との事で、当日諸教会の一致のために私が代表して祈りました。このことを通して、牧師、神父、信徒達が教団教派の壁を越えて、キリストにある一致を求めていることを知りました。そして当教会の「キリストを喜び、キリストを伝える」ということは主の御心であることを改めて確信致しました。

キリストは、「もし人がわたしにつながっており（わたしにとどまり）・・・」と言われます。この御言葉から、私たちがキリストにつながって行くために決断が必要であるということを教えられます。もちろん信仰の大前提は、キリストが私たちを選び（15：16）、聖霊によって「イエスは主である」（Ⅰコリント12：3）という信仰告白に導かれたということです。と同時にキリストの救いを受けた私たちは、キリストに従って行くことを毎日決断して行くことが必要です。キリストの弟子になるための条件は、「わたしについて来なさい！Follow Me!」（マタイ4：19）というキリストの招きの御言葉に凝縮されています。キリストについて行くためにはどうしたら良いのでしょうか・・・。先ずキリストについて行く道標は聖書の御言葉です。次にキリストについて行く力は祈りを通して与えられます。さらにキリストを信じた者には聖霊が与えられています。聖霊は私たちを常にキリストに導きます（ヨハネ15：26、16：14－15）。聖霊に満たされている者とは、聖書を読み、祈りに励み、キリストに従って行く者です。

キリストは、「わたしから離れては、あなた方は何一つできない。わたしから離れれば、最後は滅びである」と言われます。キリストから離れたからと言って、すぐに病気になり、社会の地位を失ったりするということはありません。キリストを離れることの刑罰は品性の堕落です。堕落の結果、聖霊の導きに逆らい、聖書を読まなくなり、祈らなくなります。聖（きよ）いこと、善いことが分からなくなり、卑しいこと、悪い事のほうに心が傾いて、正しいことができなくなって行きます。江戸時代、キリシタンが迫害され、その多くは殉教しましたが、拷問に耐えかねて信仰を棄て、幕府側についた者もいます。信仰を棄てた人にフィレラ神父がいます。彼はキリシタン迫害のために「顕偽録」を書き、神に敵対する滅びの人生を送ってしまったのです（死の前に信仰復帰して殉教したと伝えられている）。

キリストに救いがあり、癒しがあり、キリストによって天国に行くことができます。私たちはアッセンブリー教団に属しています。全世界にアッセンブリーの群れがあり、聖霊の恵みによって伝道する教団として活動しています。しかし、教団を用い、人を救うのはキリストです

こんな話を聞いたことがあります。ある人が天国にやって来た。さっそく自分の教団の人を探したが、あなたの教団のことは知らないと言われた。そこで、「宗教改革者ルッターのルッター派の人はいますか。カルヴィンの改革派の人はいますか。イギリスにリバイバルをもたらしたウエスレーのメソジスト教団の人はいますか」、「いいえ、知りません」。日本について聞いた、「日本キリスト教団の人は・・日本アッセンブリーの人は」、「いいえ、知りません。ここで大事なのはキリストです。私たちは教団教派によって救われたのではありませんから」という答が返ってきました。ナルニア国物語という映画が話題になっています。物語の形をとってキリストの教えを表したものと言われています。原作者のイギリス人ルイス（1898－1963）の本に「天国と地獄の離婚The Great Divorce」という本があります。その中で、天国の住民が「天国では宗教については何も知りません。ぼくたちはただキリストのことを知るだけです」ということを述べています。

キリストを信じ、キリストにつながることが真の救いです。この事を心に刻んで下さい。キリストに固く結びついて行くように祈って行きましょう。

2、キリストを信じ、実を結び、キリストの愛のうちにいよう。15：7－9

「あなたがたが、実を豊かに結び、そしてわたしの弟子となるならば、それによって、わたしの父は栄光をお受けになるであろう。・・・わたしの愛のうちにいなさい」（8節、９節）

７節にキリストを信じ、その御言葉を心に宿している者の祈りが聞かれると約束されています。

８節に「実を豊かに結ぶ」という言葉があります（同じ言葉が５節にもあります）。実を結ぶとはいったい何を指しているのでしょうか。

(パワーポイントスライドを開く）

第一に、私たちは悔改めの実を結びます（マルコ1：15）。悔改めとは方向転換という意味です。神に背を向けていた者が、１８０度向きを変えて神の方に向き直るという方向転換のことです。キリストは、「時は満ちた、神の国は近づいた。悔改めて福音を信ぜよ」（マルコ1：15）という御言葉をもって伝道を開始されました。私たちは、キリストの招きに従い、まず罪を認め、罪から離れるという生涯を変える悔改めをしました。そのために十字架のキリストを信じ、生まれ変わり、クリスチャンになりました。現在クリスチャンとして生きていますが、常に心を神様に向けるために、日々心の方向転換である悔改めをもって主に祈り、信仰の道を歩んでいます。

第二に、私たちは心に聖霊の実を結びます。ガラテヤ5：22－23に九つの御霊の実が記されています。御霊の九つの実とは「愛、喜び、平和（平安）、寛容、慈愛（親切）、善意、忠実（誠実）、柔和、自制」です。この九つの実のことは全部暗誦して下さい。御霊の九つの実を結ぶように、キリストを見上げて祈って行きましょう。

第三に、伝道奉仕の実を結びます（Ⅰコリント15：58）。皆さんの祈り、奉仕のわざを主が受け入れ、報いて下さいます。主が受け入れて下さるということを知ることが奉仕のよろこびです。例えば、今朝の礼拝のためいに先週から準備が始まり、そして礼拝の中で種々の奉仕が捧げられて、礼拝が行われています。祈って下さっている方々の上に、見えるところ、見えないところでなされている奉仕に感謝します。礼拝後も様々な奉仕が続けられています。例えば、休んだ人に週報とメッセージが発送されます。献げられた献金を祈って、大切に、間違いなく事務を行う会計の働きがあります。今日はフアミリーの集い、ゴスペルがあり、夕拝があります。或いは礼拝のために、また水曜日のために車での送迎があります。全ての働きのために、奉仕のためにお祈り下さい。

もう一つ、実を結ぶということで経済の祝福があります。「まず神の国と神の義とを求めなさい」の後に続く「そうすれば、これらのものは（生活全般の必要は）すべて添えて与えられるであろう」という部分の祝福です。これに関連して、私は、「わたしの神は、ご自身の栄光の富の中から、あなた方の一切の必要を、キリスト・イエスにあって満たして下さるであろう」というピリピ4：19の御言葉を信じています。この御言葉は100％真実ですが。それを自分のものとするためには、７節のキリストが言われた、「わたしの言葉があなた方にとどまっているならば、何でも望むものを求めるがよい」ということを忘れてはなりません。もう一つ、キリストの御言葉である「受けるよりは与えるほうが、さいわいである」（使徒20：35）いう御言葉も心にとどめて下さい。ごく単純に、結論的に言うならば、経済の祝福を求めるならば、献げることです。信仰の先祖アブラハムは今から４０００年前に、大祭司メルキゼデクを通して神に十分の一を献げ、祝福を受けています（創世記15：20）。本気で経済の祝福を求めるならば、神に献げることです。これは献げ者が直接に体験する恵みです。ここにいる大部分の方々が、献げることを通して祝福をいただいています。不足を嘆き、愚痴るよりも、先ず献げて下さい、祝福が与えられます。クラー先生が熊谷で開拓伝道を始めた時に、息子さんが学資の足しにということで英語を教えることにしたが、最初は生徒が本当に少なかった。最初の月謝が入った時に、彼はすぐに十分の一を献金した。しばらくして生徒が５名ほどいっぺんに入って来たということをクラー先生が話してくれ、「主は生きておられる」と言って感謝していました。

キリストは「わたしの愛のうちにいなさい」と命じています。キリストの愛のうちにいるということは、キリストの御言葉である聖書を信じて、キリストに縋って行くことです。信仰は理論、理屈ではなく、キリストに縋って行くことです。皆さんはキリストの愛のうちにいますか。あなたの求めるところは何でしょうか・・・。祈りましょう。信じるあなたの祈りに答が与えられます。祈りましょう。

3、キリストを信じ、キリストに従い、喜んで行こう。15：10－11

「わたしがこれらのことを話したのは、わたしの喜びがあなた方のうちにも宿るため、また、あなた方の喜びが満ちあふれるためである」。（１１節）

最後に、喜びについてですが、何かを教えるというよりも、率直にお尋ねします。

＊「あなたは喜んでいますか・・・」

＊喜んでいる人は、喜んでいることを讃美していますか。クリスチャンとして、明るい存在であるように祈りましょう。自分の存在そのものが喜びを分ち与える者であるように祈りましょう。

＊喜べない状況の中にいる人がいますか。祈りましょう。またファミリーで祈り合いましょう。

＊病気の方がいますか。主の御名によって祈りましょう。「主はその人を立ち上がらせて下さる」という約束を信じて祈りましょう（ヤコブ5：15）。

＊家族の救いを求めていますか。「主イエスを信じなさい。そうしたら、あなたも、あなたの家族も救われます」（使徒16：31）との約束を信じ、祈りましょう。その祈りは必ず応えられて行きます。

＊喜びに満たされ、感謝し、讃美するクリスチャンであるように祈りましょう。

まとめ

1、５節、キリストにつながり続けることが祝福です。キリストに救いがあり、癒しがあり、永遠の命があります。キリストにしっかりと結びつきましょう。

2、８節と９節「わたしの愛のうちにいなさい」、キリストにあって豊かな実を結びます。悔改めの実を結び、心に九つの御霊の実を結ぶように祈りましょう。奉仕の全てを主が受け入れて下さっています。経済のことも祈り、求めましょう。先ず献げることの恵みを実践する力を与えて下さいと祈りましょう、主に感謝をもって献げ、祝福を受けましょう。

3、１１節、主の救いを感謝し、大いに喜んで行きましょう。

＊聖歌を歌います（聖歌総合版516主にすがる我に）。

祈　り　

天地の主である神様、救主イエス・キリストの救いを受けた者として、しっかりキリストに結びつき、聖書の御言葉に従って行きます。聖霊の力と導きを受け、今週も祝福の日々を歩ませて下さい、病気の方を速やかに癒して下さい。仕事を求めている方々を良き仕事へと導いて下さい。各ファミリーを祝福し、ゴスペルを恵み、夕べの礼拝を祝福して下さい。私たちの家族を救いに導いて下さい。家族を守り、支えて下さい。今月も救われる方々を起し、教会に定着させて下さい。私たちを愛して下さる救主イエス・キリストの御名によって祈ります、アァメン。

参考文献ヨハネ注解―黒崎、米田、フランシスコ会、文語略解、LAB，ライル、榊原、バークレー。

「切支丹時代・遠藤周作・小学館」「天国と地獄の離婚・ルイス・みくに書店」