我らはキリストによる永遠の命を信じ、喜び、感謝する　Ⅰコリント15：1

主の御名を呼び求める者は、すべて救われる　ロマ10：5－13　　　　　主の2006.4.23礼拝

先週は、主の復活をお祝いするイースター（復活祭）でした。死を打ち破り、甦って生きておられるイエス・キリストの愛を受け、喜びに満ちた日であったことを神様に感謝します。イースターは一年に一回ですが、クリスチャンは毎週日曜日キリストの復活を記念し、教会に集まって礼拝を捧げているので、毎週毎週イースターを祝っていることになります。

天下を取り、大阪城を築いた豊臣秀吉は、亡くなる時に「露とおき露と消えぬる我が身かな、浪華のことは夢のまた夢」という歌を残したそうです。彼は人生の成功者だったはずですが、葉の上に宿った夜露が朝の光の中に儚く消えて行くように、自分の人生も儚く消えて行くということを歌っています。それに比べ、ある名も無きクリスチャンは、「春の日の盛りの花の衣着て、心うれしく帰る故郷（ふるさと）」という歌を残しつつ、安らかにこの世を去り、天国に向かって行きました。権勢を極めた人生ではなく、つつましく生きた無名の人生ですが、クリスチャンの歌は、自分の人生に感謝し、死を恐れず、死の彼方にある天国に行けるという希望にあふれています。

今朝はロマ10：5－１３です。１３節に「主の御名を呼び求める者は、すべて（誰でも）救われる」とあります。有名無名に関わりなく、民族、国籍、男、女、地位、身分を問わず、キリストに赦しと救いとを求めれば、誰でも例外なくキリストによって救われるという約束の御言葉です。救われるということは、あるクリスチャンが「・・・心うれしく帰る故郷」という歌で表したように、キリストによって罪の赦しを与えられ、永遠の命を受け、天国に導かれるということを意味しています。また生きている限り様々なトラブルがありますが、主に呼び求めれば、主が助けて下さることをも意味しています。

今朝、御言葉に耳を傾け、祈って、新しい一週間の旅路を共に出発して参りましょう。

内容区分

1、キリストを信じた者は、新しく生まれることができる。10：5－10

2、キリストを信じた者は、救いに感謝し、キリストに従って行く。10：11―13

資料問題

ロマ書は使徒パウロの記したもので、救いの問題を体系的に述べている、１６章から成る書簡である。

内容は、１－８章、人間の罪とキリストによる救い、９－１１章、ユダヤ人の救い、１２－１５章、クリスチャンの信仰生活、16章、パウロのロマ教会の人々への個人的挨拶となっている。

本日の１０章はユダヤ人の救いを論じた個所であるが、キリストを求める全ての者に適用できる教えが記されている。6－７節、信仰による義とは、神がキリストをこの世に降し、十字架、復活による救いを信じることによって与えられるものである。天に上り、底知れぬ所に降るという行いではなく、キリストをただ信じれよいのである。

９－１０節、信仰告白は救いに必要不可欠なことである。１３節、ヨエル2：32の引用。主は旧約においては神を指すが、パウロはキリストであるとしている。キリストが神の子であるので当然である。

1、キリストを信じた者は、新しく生まれることができる。10：5－10

すなわち、自分の口で、イエスは主であると告白し、自分の心で、神が死人の中からイエスをよみがえらせたと信じるなら、あなたは救われる。なぜなら、人は心に信じて義とされ、口で告白して救われるからである。（９－１０節）

先週、コリント第一１５章より、聖書の中で最も大事なことは、キリストの十字架と復活であることを教えられました。キリストの十字架の救い、キリストの復活による永遠の命を信じて、神様と人の前に信仰を公にして、大村智重さんが洗礼を受け、天においても、この教会においても大いなる喜びが与えられ、幸いでした。来週３０日には宇野秀己さんが洗礼を受けますのでお祈り下さい。

イギリスのサムという人に「あなたの生まれはどちらですか」と尋ねた。彼は答えて「リバプールとダブリンです」と言った。生まれた所が２ヶ所あるとは変だなーと思って、よく訊いてみた。すると、体の誕生地がリバプールで、魂の生まれ変わった所がダブリンだということが分かったのです。サムが言ったように、私たちクリスチャンには、この世に誕生した日時、場所があり、またキリストを信じて魂が生まれ変わった時や場所があります。この世に生まれたということは、自分の国の戸籍に登録されます。魂の生まれ変わりは、天国の「生命（いのち）の書」に登録されます。やがて、世の終りの日に、私たちの名前が呼ばれて、永遠の天国の中に導き入れられて行きます。

天国の「生命（いのち）の書」に名前が登録されるのは何時でしょうか・・それは私たちがキリストを信じて救われ、神の子になった時です。しかし多くの方々は、５節にある律法による義、即ち良い事をして人間は救われるという考えに立っています。教会に時々エホバの証人の長老夫妻が訪ねてきて、自分達の宣伝雑誌を置いて行きます。エホバの証人の人々は、良い行い、特に伝道活動をして救われると考えています。それで、エホバの証人の長老夫妻は、教会に雑誌を届けるという行いをすることが自分達の救いにつながると考えているのです。しかし、行いによって救いを勝ち取るということになると大変です。行いを完璧にしなければ救われないということで、絶えず間違いのないようにという追い立てられる気持になり、自分はちゃんと出来ているのだろうか、できていないという不安に駆られるようになるからです。

ある夜更け、キリストの許に、年老いたユダヤ教・パリサイ派の指導者ニコデモがやって来ました。キリストは開口一番、「アーメン、アーメン（誠にまことに）あなたに言っておく。誰でも新しく生まれなければ、神の国を見ることはできない」とニコデモに伝えています。彼は「わたしは年をとっている。もう一度母のお腹の中に入って生まれることはできない」と戸惑っています。キリストが言われた意味はこうです。人は罪を赦してもらおう、消してもらおうとして、修養努力しているが、人は完璧に律法を守り行うことはできない。十戒という十の大切な戒めがある。その九つを守っても、一つを破れば全体を破ったことになるのです（ヤコブ2：10）。罪があれば、私たちは死をもって罰せられ、永遠の滅びの中に投げ込まれます。そこで神の独り子であるキリストが来られて、人として完全な生涯をおくり、その罪のない清い身を十字架の上に捧げて、私たちの罪の身代りになられたのです。私たちはキリストを信じて、罪を赦され、永遠の命を受けて行きます。（ニコデモは後にキリストを信じ、キリストを葬り、復活の準備をします）。（ヨハネ3；1－21、19：38－40を見よ）

ある若者が、肺の病気に冒された。病気が重くなり、回復の望みがなくなり、彼は苦しみ悶えます。天を怨み、地を怒り、ただ死を待つだけでベッに伏していた。伝道者が何回か病床を訪れ、キリストの恵みを語ったが、御言葉が彼の心に入らないようであった。そうこうするうちに病気が進み、もう命が尽きるということを聞いて、伝道者が彼のベッドに駆けつけた。彼は痩せ衰えて見る影もない。ところが彼の顔は喜びにあふれている。実は、つい３日前に回復の見込みなし、死を覚悟して下さいという最後の宣告を受けた。諦めて死ぬと思った時に、何となく死後のことが恐ろしい。今まで犯した罪の数々が走馬灯のように浮かんでくる。恐ろしさと絶望の底に沈んだ時に、幾度か聴いたキリストの十字架の事が解ってきた。「御子イエスの血が、すべての罪からわたしたちをきよめるのである」（Ⅰヨハネ1：7）。そう信じて、「キリストを信じます」と告白したら感謝があふれてきて平安になり、顔が輝いている。伝道者は思った「人は心に信じて義とされ、口で告白して救われる」とは真実である。この若者は天国に行く。しかし行く前に天国の喜びは既にこの病人の心に入っている。太平洋の水をコップ一杯掬ってみればその分量は僅かである。だが調べてみれば、太平洋の水もコップ一杯の水もその成分性質は同じです。私たちがこの地上において受ける天国の恵みはごく僅かであるかも知れませんが、その性質は全く同じです。キリストを信じる時に、罪の赦し、永遠の命の恵みが心に注がれて、喜びが溢れ出てきます。絶望の淵にあった若者は、キリストの救いを受け、永遠の命の希望に確信し、喜びと希望に輝いて天国へと向って行ったのです。私たちもキリストを信じて、罪を赦され、永遠の命の恵みを受けていることを感謝しましょう。

2、キリストを信じた者は、救いに感謝し、キリストに従って行く。10：11－13

ユダヤ人とギリシャ人との差別はない。同一の主が万民の主であって、彼を呼び求めるすべての人を豊かに恵んで下さるからである。なぜなら、「主の御名を呼び求める者は、すべて救われる」とあるからである（１２-13節）

１１－１３節、キリストを信じると、失望がない（１１節）、豊かに恵まれる（１２節）、主を呼び求める者はすべて救われる（１３節）という約束が記されています。

キリストを信じ、告白して与えられる恵みは、新しく生まれ変わることです。新しく生まれ変わった命は永遠に続く命です。キリストを信じる者は死んで終わりというのではなく、永遠に生きるという希望の人生をおくります。クリスチャンの人生は、天国につながっています。天国に行くまで、私たちは地上の人生を歩むのですが、キリスとはすべてを最善に備えて、クリスチャンを助け、恵んで下さいます。何かあった時に、「主よ」と祈り求めるならば、必要な助けが与えられます。

あるご婦人は、気難しい主人、四人の子どもの育児、それに加えて姑の面倒を見るという生活に疲れを感じていた。所謂ノイローゼ状態に落ち込み、暗い毎日をおくっていた。幸いなことに近所のクリスチャンから、「あなたの重荷を負って下さるイエス様がいる」ということを聴いた。半信半疑の気持で教会へ行ってみた。「何事も思い煩うな。神様は空の鳥、野の百合を養い、育てている。神様はあなたのことを守り導く恵みの神である」という御言葉が心に響いてきた（マタイ６：２５以下を見よ）。こんな素晴らしいことを教えて下さるキリストを信じようと思った。信じたら心が軽くなった。自分が苦しいのは、周りが悪い、あの人があんなことを言うからだ、主人の理解がないからだなどという苦々しい思いから解放された。何でも人のせいにするのは、自分がキリストを信じないで罪に支配され、感謝がなかったからだということが解った。それからは家事、育児、姑の世話などを感謝して行えるようになった。何か困ったことがあると、すぐひざまずいて「主よ」と呼び求めると平安になった。姑を愛をもって世話した。子どもたちは真面目に育ち、主人が救われるという祝福をいただいたのです。キリストを信じる者には失望がない、必ず希望が与えられる。豊かに恵まれる。主の御名を呼び求めれば、必ず助けが与えられるというのは真実です。

イエス・キリストを信じ、「主は私の救主であり、私の人生の主です」と告白するだけで、私たちを神の子にして下さったキリストに感謝し、主の御名を呼び求めて祈り、主に従って行きましょう。