キリスト再臨の日は近い、教会生活に励もう　ヘブル10：19

キリスト再臨の日は近い、教会生活に励もう　ヘブル10：19－25　　　　主の2006.9．３．礼拝

神学校時代、弓山校長（1900－2002）の授業がありました。今から４０年程前ですが、授業のスタイルは口述筆記で、先生は分厚い横文字の本を訳しつつ、それにご自分の見解を入れ、日本語に整えて生徒に講義します。生徒である私たちは耳をそばだてて先生の講義を聞き、それをノートに筆記して行くというものでした。時々、授業の終りに、「きょうは全員ノートを提出しなさい」と言われたことを思い出します。キチッとノートが取れていれば良いのですが、うまくノートが取れていない時はヒヤヒヤしながらノート提出をしたのですが、幸いにも先生からお叱りを受けずに済んだことを感謝しています。３年間先生の授業を受けましたが、必ずノート提出があるので、いつ「提出せよ」と言われても大丈夫なように、良い緊張感をもって授業を受けることが出来ました。

本日はヘブル10:19－25です。25節に「かの日が近づいているのを見て」と言われています。「かの日」とはキリスト再臨の日です。キリストは今から１９７３年前、ゴルゴタの丘で十字架の救いを成し遂げ、天に帰って行かれました。このキリストはもう一度この世界にやってこられますが、それを再臨と言います。再臨の時にキリストを信じる者は天国に迎え入れられ、信じない者は地獄に落とされて行きます。キリストは「しかり、わたしはすぐに来る」（黙示録22：20）と言っていますが、キリスト再臨の日は近いのです。神学校時代、ノート提出に備え、いつ提出しても良いようにという気持をもって授業を受けたように、私は主が必ず再臨されることを信じ、いつ主が来られても良いように備えながら、信仰生活に励んで行こうと願っています。

今朝も、主の御言葉に共に耳を傾け、共に祈り、新しい一週間の旅路を出発して参りましょう。

内容区分

1、キリストは、十字架によって天国の門を開かれた救主である　10：19－22

2、キリストは、再臨によって信じる者を天国に迎え入れて下さる救主である　10：23－25

資料問題

１９節「聖所」、天国そのものを指す（9：24を見よ）。２０節「彼の肉体なる幕」、地上の聖所では、大祭司が年に

一度、犠牲を携え、隔ての垂れ幕を通って至聖所に入った。キリストは大祭司として、ご自分を犠牲としてささげ、神に近づく道を開かれた（ヨハネ14：6）。肉体は苦しみ、死ぬ人間の弱さをまとったキリストの地上の姿を表す。キリストの「肉体の幕」と至聖所の幕が同一視されている、それはキリストが死なれた時に、神殿の至聖所の垂れ幕が上下に裂け（マタイ27：51）、キリストが十字架上で身を裂かれて死んだことによって、すなわちキリストの肉体の幕が裂かれたことによって、神との隔ての幕が裂かれたことを示している。「新しい生きた道」とは栄光に溢れ、「永遠に生きている」（7：25）復活されたキリストご自身のことである。２１節「神の家」、地上における教会、天における神の住いを指す。２２節「良心のとがめ」、悪い思いは心から出る（マタイ15：18－19）。罪の結果である悪い思いは洗礼によって清められる（テトス3：5）。２５節「集会」、この集会は礼拝のための集会。「かの日が近づいている」、盗人が思いがけない時に来るように、主の日は突然に訪れる（Ⅰテサ5：2）。その日は各自のわざが明らかにされる日である。（Ⅰコリ3：12）。主の来臨は間近い（ロマ13：12、ピリピ4：5）。

1、キリストは、十字架によって天国の門を開かれた救主である　10：19－22

兄弟たちよ。こういうわけで、わたしたちはイエスの血によって、はばかることなく聖所に入ることができ、彼の肉体なる幕をとおり、わたしたちのために開いて下さった新しい道を生きた道をとおって、入って行くことができるのであり・・・信仰の確信に満たされつつ、みまえに近づこうではないか。（１９,２０,２２節）

１９節「兄弟たちよ」という言葉で始まっています。先週はヘブル３:１２以下でしたが、そこも「兄弟たちよ」という呼びかけで始まり、「『きょう』といううちに信仰に励め」という大切な勧めがなされていました。きょうの個所も「兄弟たちよ」と呼びかけ、これから皆さん方に大切なことを伝えるということを表しています。どんな大切なことを言おうとしているのでしょうか・・・。

第一に、「イエスの血によって、はばかることなく聖所に入ることができる」とあるように、私たちはキリストの十字架によって救われていることを信じています。

聖所とは天国のことです。私たちはキリストを信じて、はばかることなく、すなわち恐れることなく、大胆に、確信をもって天国に入れると約束されています。天国はきよい神様がおられる所です。神様は愛の神様であり、どんな人をも受け入れて下さいます。しかし一つだけ神様が受け入れられないものがある、それは罪です。罪とはまことの神様を礼拝しないで偶像礼拝をすること、神様に対する反抗心、神様の言葉である聖書を信じない傲慢な心、自分さえ良ければといいという我がまま勝手な自己中心の心、妬み、殺意と争いと詐欺と悪念、盗むこと、人の悪口をいうこと、嘘をつくこと、不倫、姦淫、貪欲、欺き、愚痴などです。さらには金を愛する事、親に逆らうこと、裏切り、快楽を愛すること、信仰深い様子をしながら、陰では悪を行っていることです（ロマ1：22－29、マルコ7：21－23、Ⅱテモテ3：1－5）。私たちも罪をもっていた罪人でした。罪人ですから天国に入れない、神様を見る事のできない者でした。私は高校生の夏休みの時、英語クラスで新約聖書を学んだことがあります。山上の説教の中で、キリストが「心のきよい者は幸いである。その人は神を見るであろう」と教えていますが、私は何故かこの御言葉が気に入って、今でも英語で暗誦しています（マタイ5：8）。私は教会に導かれ、自分には罪がある、罪があるので神様を見る事ができない、天国に入ることができない、死んで滅ぼされる者であるということを知らされました。しかし感謝なことに、罪ある人間のためにキリストの十字架のあることを教えてもらいました。２０節に「彼の肉体なる幕」という言葉があります（p１資料問題参照）。キリストが罪の身代りとして十字架の上で死んで下さったので、キリストを信じれば罪がない者と認められ、罪という隔ての幕を取り除かれて神様の子どもになり、天国の命が与えられたことを伝えている言葉です。

第二に、「新しい生きた道をとおって」「神の家を治める大いなる（偉大なる）祭司」とあるように、私たちは死を打ち破って甦り、永遠に生きているキリストを信じています。

古今東西、多くの宗教があり、教祖がいますが、全ては死んでいなくなっています。以前読売新聞に次のような死亡広告が出ていました。面白かったので切り抜いてあります。

＜当教会　ご守護神様におかれましては３月１９日午前５時１０分御逝去なされました　ここに謹んでご通知申し上げます　宗教法人霊波之教会＞。

聖書は「キリストは十字架で死んだ、だが三日後に復活され、今、生きておられる、そして永遠に生きておられる。これが聖書の中で最も大切な神様からのメッセージである。キリストは生きておられる。あなた方はキリストを信じて魂の生まれ変わりを体験している、キリストは信じる者の心の中に住んでおられる、これは信仰の奥義であり、栄光の望みである」ということを繰り返し告げています（Ⅰコリ15：1－11、Ⅰペテロ1：8－9）。

第三に、「清い水で洗われ」「みまえに近づこう」とあるように、私たちは洗礼を受け、教会に正式に加わり、礼拝を捧げ、キリストに従う生活を続けて行きます。

私たちは罪を悔い改め、キリストを信じます。キリストを信じた信仰を神様と人の前に公にして、洗礼を受けます。洗礼を受けて教会に正式に加わり、礼拝生活を続けて行きます。今日から５名の方々が洗礼を受けるために準備の学びを始めました。来週１０日は、洗礼の学びを終わった３名の方々が洗礼を受けます。洗礼について三つのことを申し上げます。

１、洗礼はお葬式です。罪に支配されていた古い罪の自分を水の中に葬る式です。普通のお葬式は悲しさが付きまといますが、洗礼によるお葬式は実にメデタイ最高の葬式です。「罪に死んで良かったね、おめでとう！」と喜んでもらえる葬式は洗礼式だけです。

2、洗礼を受けることによって、異教行事で思い煩う事がなくなります。洗礼を受けるまでは、例えば仏壇、墓参り、位牌、仏教行事による親戚づきあいなどでいろいろ心配する方がいます。しかし祈って、思い切って洗礼を受けることによって、洗礼を受けた全ての方々が、神様の助けによって信仰を守られています。この教会に多くの証人がいます。安心して洗礼を受けて下さい。

3、洗礼を受け、教会に結びつく事によって、人生は恵まれます。今回の洗礼では、若い方々が多く洗礼を受けます。若い方々に申し上げます。

若い方々は進路で悩む時があるでしょう、祈って下さい、行くべき道が開かれます。

若い方々は好きな人ができることでしょう。祈って下さい、そうすると慌てないですみます。そして自分にとって本当にふさわしいクリスチャンの人が現れます。私は１６歳で洗礼を受けて、自分の人生の目標を示され、２７歳の時に、共に祈り、伝道して行く伴侶として最善最良の人に神様が引き合わせて下さって、３８年間の人生を共に歩み今日に至っています。

2、キリストは、再臨によって信じる者を天国に迎え入れて下さる救主である　10：23－25

ある人たちがいつもしているように、集会をやめることをしないで互いに励まし、かの日が近づいているのを見て、ますます、そうしようではないか。（２５節）

２３節に「告白する望みを動くことなくしっかりと持ち続けよう」と言われています。

「キリストを信じました」ということを、一生変わらない信仰として持ち続けようということです。聖書朗読の詩篇６３篇の中で、ダビデは「わたしの魂はあなたに（主に）すがりつく」と歌っています。ダビデは若い時に、主君であるサウル王によって命を狙われ、流浪の旅を続けたことがあります。晩年には愛する息子アブサロムにクーデターを起こされ、着の身着のまま裸足で荒野へ逃げて行くという悲しい体験をしています。しかしダビデはどんな時でも「わたしの魂は主にすがりつきます」と言って、主に助けを求めています。その時に「主であるあなたの右の手はわたしを支えられる。しかし、わたしの魂を滅ぼそうと尋ね求める者は地の深き所に行き、山犬の餌食となる」という主からの助けを得ています（詩篇63：8－9）。

２４節に「愛と善行とを励むように互いに努めよう」との勧めがあります。

せんだって、「誰かに声をかけましょう」、ということをお願いしました。声をかけることによって、他の人のことを思い遣ることを実践して下さい。ついでに私にも声をかけて下さい、「きょうも御言葉を感謝します。御言葉から恵みを受けました、教えられました、実践します」などのあたたかい一声をかけていただくと、牧師は成長します。しかし声をかけるためには説教を聴いていなければなりませんので、眠るヒマがなくなりますので、自分の魂が恵まれ、成長して行くことになります。

２５節に「集会をやめることはしない」と言われています。

この時代、集会から離れてしまった人がいたので、この勧めが記されたのです。時々「私は隠れクリスチャンです」と言って、規則的に集会を守らずにいる人がいます。しかし本当の弟子であれば隠れていることは出来ず、隠れていれば弟子であることは出来ないのです。キリストが十字架にかかって死んだ時に、それまで弟子であることを隠していたユダヤ最高議会の議員ニコデモとアリマタヤのヨセフがキリストの遺体を引き取るために現れ、キリストを墓に葬っています（ヨハネ19：38－42）。豊留先生が学生を連れて北海道伝道に行き、ある町で路傍伝道をしたところ、３名の人が「私はクリスチャンです」と名乗り出て、信仰を皆の前で言い表したという証をしてくれたことを思い出します。クリスチャンであるなら、信仰を鮮明にして行くことが大切です。今日、中国では政府公認以外の地下教会がたくさんあります。中国政府は、地下教会は反体制の集まりであるとして弾圧し、多くの牧師たちが逮捕され、クリスチャン達が迫害を受けています。ところが、政府が迫害をすればするほど、クリスチャン達は命がけで集会を守ることによってキリストを愛していることを示し、そしてお互いにキリストの兄弟姉妹であることを表し続けています（いのちの水レポートより）。彼らは決して共に集まることをやめないで、自分たちがクリスチャンであることを表しています。

キリストを信じる信仰告白を保ち続け、互いに声を掛け合って信仰を励まし合い、集会を大切にして、集まりを続けようと言われていますが、それは「かの日が近づいている」からです。「かの日」とはキリスト再臨の日です。

キリストは今から２００６年前にこの世に来られ、１９７３年前に十字架と復活により救いの道を開かれました。キリストが天に帰ってから、ペンテコステの日に聖霊が降り、エルサレムに教会が誕生しました（使徒２章）。教会は、キリストの「全世界に出て行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えよ」という宣教命令に従って（マルコ16：15）、聖霊に導かれ世界伝道を展開し（使徒1：8）、現在も世界に教会が増え広がって行く恵みの時代が続いています。しかし間もなく終りが確実にやってきます（マタイ２４章を見よ）。キリストは「わたしはもう一度この世に来る」（黙示録22：20）と言われました。それが再臨で、再臨とは再び来るという意味です。

キリストの再臨は二段階方式です。（＊添付別紙を参照して下さい）

図を見る

最初は携挙（空中再臨）です。キリストを信じて死んだ人々が最初に甦り、それから生き残っている私たちが雲に包まれて引き上げられ、空中でキリストに会います。空中再臨によって、キリストを心から信じている教会のクリスチャンは天に引き上げられ、教会は空っぽになります。来週礼拝に遅れて来たら、教会がシンとしている、変だなと思って入ったら、あれ誰もいない。妙だなと思って待っているが、牧師も来ないし誰も来ない。そのうちに、しまった、空中再臨があったのだ、まずい、取り残されたらしい、などという事がないようにご用心下さい。

地上ではサタンが実権を握る大患難時代が７年続きます。

大患難時代の最後に、キリストは地上に再臨されます。キリストが最初に足を下ろす所はエルサレムのオリーブ山です。サタンが縛られて、地上では千年王国と呼ばれる千年間の平和な時代が続きます。

千年王国の最後のところで、サンタンがほんのしばらくだけ解放されますが、神様によって最終的に大白座の審判を受け、地獄に投げ込まれます。そして「生命（いのち）の書」に名前のない人々も地獄に投げ込まれます。

それから新天新地と呼ばれる永遠の天国が始まります。

かの日とはキリスト再臨の日です。その日は近づいています。心を引き締め、集会に励んで行きましょう。

まとめ

1、10：19－22、キリストは、十字架によって天国の門を開かれた救主です。

2、10：23－25、キリストは、再臨によって信じる者を天国に迎え入れて下さる救主です。

互いに励まし、再臨の日が間近であることを忘れないようにして、教会生活を共に続けて行きましょう。

祈　り　天地の主である神様、私たちは天国に入れない罪ある者でしたが、キリストの十字架の恵みにより罪を赦され、天国へ入る永遠の命を与えられている事を感謝します。キリストを信じることを洗礼によって公にし、教会に結びついて行く信仰を強めて下さい。キリストの再臨が間近であることを忘れずに、互いに励まし合い、教会生活を天国に入るまで一生の間続けて行くように、真理の霊である聖霊によって私たちを導いて下さい。十字架と復活によって救いを与えて下さった救主イエスキリストの御名によって祈ります、アーメン。

参考文献へブル注解―黒崎、名尾、フランシスコ会、バークレー、米田、文語略解、LABN、塚本。

「迫りくるものーキリストの来臨と世の終末―首籐新蔵編・同信社」、「Jesus is coming, by w.e.b. Revell　Company」